书名 战国小町苦劳谭
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作者: 夹竹桃
(资料图片)
原作:http://ncode.syosetu.com/n8406bm/
翻译工具:ChatGPT
*机器输出的翻译结果UP未做任何修正,仅供试阅。标题章节号为原翻译版的顺延。*
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千五百七十六年 十月中旬(*原文网页序列号 - 166)
静子は居並ぶ面々が自分を注視していることを理解し、その上で声の強弱を殊更意識して言葉を発する。
静子理解周围众人正在注视着自己,并且有意识地控制自己的声音强弱发言。
「東国征伐総大将、織田勘九郎(かんくろう)様」
"东国征伐总大将,织田勘九郎先生"
「おう!」
"哦!"
名を呼ばれた信忠がすっくと立ちあがり、悠然とした足取りで大将の席へと向かった。その振る舞いからは、一敗地に塗(まみ)れたという気おくれは感じられなかった。
被叫到名字的信忠挺直腰杆,从容地向将军的席位走去。从他表现出的态度来看,他并没有感到像一败地塗了污一样气馁。
彼の表情には覇気が漲(みなぎ)り、自分の勝利をまるで疑っていないように見えた。そしてそれは虚勢などではなく、実力に裏打ちされた自負が窺(うかが)える。
他的表情充满着霸气,看起来像是毫不怀疑自己的胜利。这不是虚张声势,而是由实力支撑的自信。
「次こそはなに偽ることなく、その名を呼ばせてみせよう」
“这一次我一定会让你叫出我的名字,毫无一点欺瞒。”
「心待ちにしております」
“我心怀期待”
静子の傍を通る際に、信忠は彼女だけに聞こえるよう呟(つぶや)いた。それに対する静子は表情こそ動かさないものの、声に期待を滲(にじ)ませつつ返す。
当通过静子身旁时,信忠低声对她说了一句只有她听得见的话。尽管静子没有表情,但她的声音透出期待的情感回答了他。
静子が公の場以外で、信忠のことを「奇妙」の名で呼んでいることは公然の秘密である。これは静子が信忠を侮っているからではなく、信忠自身の希望に拠るものだ。
静子在公共场合以外称信忠为“奇妙”是公开的秘密。这并不是因为静子轻视信忠,而是出于信忠自己的愿望。
当初は信忠の元服を契機に、静子も呼び名を「勘九郎様」や「若様」と改めた。
最初,由于信忠的介绍,静子也改称他为“勘九郎先生”或“若先生”。
これに対して信忠は慙愧(ざんき)に堪(た)えない(己の行いを恥じる等の意味)といった表情を浮かべて、静子に申し入れた。
对此,信忠露出一副愧疚的表情,表示他感到羞愧(指对自己的行为感到惭愧等),向静子提出了建议。
「織田家の次期当主を継ぐに相応しい武功をあげておらぬ俺が、織田家隆盛の立役者たる静子にその名で呼ばれる資格はない。俺が誰に恥じることのない武功を立てるまで、今まで通り奇妙と呼んでくれ」
“我没有取得继承织田家家主地位所应当有的功绩,因此无资格被作为织田家兴盛的功臣静子称呼。在我取得无愧的功绩前,请一如既往地称呼我为“怪人”。”
「元服を終えた貴方を幼名で呼ぶことは礼を欠いております。余人が耳にすれば貴方が侮られることにもなりかねません」
“以幼名称呼已经成年的你是不礼貌的。如果被他人听到,可能会让你被轻视。”
「それは承知の上だ。無論公の場に於いてはこの限りではないが、それ以外では己が半人前であるという戒(いまし)めとしたいのだ。我ながらつまらぬ意地を張っているとは思うが、ここを曲げれば俺は生涯静子と対等になれぬ」
“我知道这一点。当然在公共场合并不是这样,但在其他地方我想要谨记自己只是半个人而已。我认为我正在表现出一种无趣的固执,但如果我改变想法,那我一辈子都无法和静子平起平坐了。”
「どうしても譲(ゆず)れないと仰(おっしゃ)るのですね? ならば上様をご説得下さい。上様がお許しになるのなら従いましょう」
“您是坚持不让步吗?那就请说服上级。如果上级同意了,我会遵从。”
「よし、言質(げんち)を取ったからな! これに関しては静子よりも父上を説得する方が容易(たやす)い!」
"好的,我们已经拿到了他的承诺!在这个问题上,说服父亲比说服静子容易得多!"
このようなやり取りの後、信忠は信長に前述の内容に関する許しを願った。
在这种交流后,信忠请求信长允许前述内容。
信長は信忠の真っすぐさと融通の利かなさに己の若い頃を思い出し面映(おもは)ゆくなったが、同じ男として信忠の心情を酌(く)み、許可を出した。
信长想起了自己年轻时的眼前一亮和不善变的品质,但作为同样的男人,他体谅了信忠的心情并给予了批准。
あえて信忠の瑕疵(かし)(きず、欠点の意味)を晒すことで、面従腹背の臣を洗い出せるとの思惑もあった。
敢于暴露信忠的缺陷,也有发现面从腹背的臣子的计划。
「滝川彦右衛門様。引き続き勘九郎様麾下(きか)にて東国征伐の補佐を任じます」
“瀑川彦右卫门大人。继续在勘九郎大人的指挥下任命为协助东国征伐。”
「承知!」
"知道了!"
「羽柴様。引き続き西国(さいごく)は播磨征伐の総大将に任じます」
「羽柴大人,您将继续担任西国的播磨征伐总指挥。」
「謹(つつし)んで承(うけたまわ)る!」
“请恭敬地接受!” (Note: The translation may vary depending on the context.)
滝川一益は引き続き信忠の麾下に組み込まれ、東国征伐の要を担うこととなる。今回の東国征伐では総大将の布陣が従来とかけ離れた配置となるため、滝川の担う役割は大きい。
滝川一益被纳入信忠的麾下,并担任东国征伐的重要角色。在这次东国征伐中,由于总大将的部署与以往不同,滝川所扮演的角色尤为重要。
また秀吉に関しては播磨征伐から外されるのではという噂が出ていたのだが、継続の命(めい)を耳にした瞬間胸をなでおろした。しかし、浮かれてばかりはおられず、ここでの働き如何(いかん)で進退が左右されることを理解し、神妙に返事をすることとなった。
还有关于秀吉,有传言称他会被排除在播磨征讨之外,但当听到他可以继续留任时,我松了一口气。然而,我明白这里的表现将左右我的前途,不能只沉浸在喜悦之中,我庄重地作出回答。
「明智惟任(これとう)日向守(ひゅうがのかみ)様。同じく西国の抑えとして丹波征伐の総大将に任じます」
明智惟任(これとう)日向守大人,同时被任命为西国的重要角色和丹波征伐的总指挥。
「拝命いたす」
「拜命いたす」的简体中文翻译为「遵命奉行」。
秀吉に続き、光秀も西国への睨(にら)みとして留任することとなった。尤も光秀の場合、既に丹波を手中に収めつつあるため不安はなく、ここで頭を挿(す)げ替えるような真似をすれば現場が混乱するための続投だ。
继秀吉之后,光秀也被视为对西国的眼光留任。不过光秀已经掌控了丹波,所以并不担心。如果他现在改弦易辙,会导致混乱,所以他决定继续留任。
秀吉同様に光秀も波多野氏や赤井氏による激しい抵抗を受けたのだが、光秀はこれをいなし(・・・)た上で痛撃を与えてすらいた。光秀と秀吉の対応で明暗を分けた原因は、それぞれの部隊運用にあった。
像秀吉一样,光秀也遭受了波多野氏和赤井氏的激烈抵抗,但光秀成功地克服了这一点,并给予了强烈的打击。光秀和秀吉的处置方式不同,原因在于他们各自的部队运用。
秀吉が静子軍から派遣された新式銃の部隊や、狙撃部隊を遊撃的に用いたのに対し、光秀は正規軍として再編成したのだ。
秀吉派遣了从静子军中挑选出来的新式枪兵部队和狙击部队,并以游击战的方式使用。而光秀则重新组建了正规军。
これによって光秀軍は新式銃の長射程を活かし、会敵した敵軍の出鼻を挫いたり、劣勢の軍への援護射撃をさせたりと効果的に運用して見せた。
通过这种方式,光秀军队成功地利用了新式枪械的远程射击能力,挫败了对手的咄咄逼人之势,还在援助劣势军队时展现了极强的作战效果。
勿論新式銃部隊は目覚ましい成果をあげる反面、光秀軍のほとんどを構成する歩兵部隊は活躍の機会を奪われることとなる。しかし、光秀はこれを論功行賞の基準を変えることによって不満が発生しないように差配した。
当然,新式枪部队取得了显着成果,然而构成光秀军大部分的步兵部队却失去了活跃的机会。然而,光秀改变了奖励标准以避免不满情绪的产生。
直接敵の首級をあげることが手柄とするのではなく、如何に光秀の指示を遅滞なく遂行出来たかによって評価が変わるのだ。
不是将直接敌人的首级作为功勋,而是评估取决于能否迅速执行光秀的指示。
つまり新式銃部隊の弱点である防御力を補うため、敵の横撃を防ぐ時間を稼ぐだけでも成果とみなされるのだ。
换言之,即使只是为了增强新式枪支部队的防御能力并赢得防止敌人横向攻击的时间,这也被视为取得成果。
殆どの兵にとって手柄とは報酬の多寡(たか)を左右するため必死になるのであって、安全に報酬が貰えるのであればわざわざ命がけの斬り合いをしたいものはいない。
对于大多数士兵来说,功绩是影响报酬多少的决定性因素,因此他们会千方百计地为此而奋斗,但如果能够安全地拿到报酬,就没有人愿意冒生命危险去进行决斗了。
あくまでも従来の評価基準に拘った秀吉と、新しい兵器の登場に柔軟に対応した評価制度を構築できた光秀とで、適応力の差が顕在(けんざい)化したと言える。
可以说,在秀吉坚持以传统的评价标准为基础的同时,光秀能够建立一种可以灵活应对新兵器出现的评价体系,进而突显出了他们适应能力的差异。
その後も粛々と布陣の伝達が続けられる。
随后,布署的传达继续进行。
「神戸(かんべ)三七郎様。雑賀衆の残党を追撃及び、石山本願寺から退去する人々を雑賀荘(さいかのしょう)もしくは十ヶ郷(じっかごう)まで送り届ける役目を任じます」
“指派神户三七郎先生追击雑贺衆残党,并将从石山本愿寺逃走的人们送到雑贺庄或十ヶ郷。”
「承知。相談役殿、少し質問をしても良いだろうか?」
“了解。请问,可以向您请教一些问题吗?”
名を呼ばれた信孝は承諾の後、静子へ質問の許可を求めた。静子は信長を窺うが、彼は無言で頷いて静子に答えるよう促す。
当信孝被叫到时,他同意后请求批准向静子提问。静子观察着信长,但他无言地点头,促使静子回答。
「構いません。伺いましょう」
"没关系,让我来询问吧"
「では。託された任に異を唱える訳では無いが、雑賀衆の残党を追撃する意図が掴めませぬ。既に武装勢力としての雑賀は死に体となっておりまする。わざわざ追撃など掛けずとも面倒ごとを嫌う身内に狩られましょう。それを押してでも討伐せねばならぬ理由があるのならお聞かせ願いたく存ずる」
“那么。虽然我不反对接受您的委托,但我无法理解您追击雑贺残党的意图。现在雑贺已经成为武装力量中的濒死之体了。我们只需要等待他们沦为自己的噩梦即可,为何要费力追击?如果您有把握必须讨伐他们,请告诉我原因。”
「ご賢察の通り雑賀の残党狩りは建前でしかありません。真なる狙いは上様に反旗を翻(ひるがえ)さんとする輩(やから)の喉元へ刃を突き付けることにあります」
“正如你所猜测的那样,对于雑賀的余党猎杀只是一个借口。真正的目的是将刀锋对准那些背叛主上的人。”
「……なるほど。承知仕(つかまつ)った」
“……原来如此。我了解了。”
暫(しば)し瞑目(めいもく)していた信孝だが、明言を避ける静子の言葉と織田家を取り巻く情勢から信長の狙いに気付いた。
信孝暂时闭上了眼睛,但从静子闪烁其辞的话和围绕織田家的形势中,他意识到了信长的目的。
雑賀の残党狩りは兵を送る名目に過ぎず、本丸は紀州(きしゅう)の平定にあるのだと察する。しかし、静子があえて明言を避ける以上は秘するに足る理由があると考え、己も沈黙を選んだ。
资格的残党狩猎只是派兵的名义,我们可以推测本丸的目的是统一紀州。但是,由于静子故意避免直言不讳,我想她肯定有足够的理由去保守秘密。因此,我也选择了沉默。
史実に於ける紀州征伐とは、天正五年(1577年)に信長が行った雑賀攻めと、同十三年の秀吉による紀伊侵攻を指す。
史实中的紀州征伐指的是天正五年(1577年)信长进行的赤崎攻击和同十三年由秀吉进行的紀伊侵攻。
何故、信長だけではなく名実ともに天下人となった秀吉までもが紀伊を攻めたのかと言えば、紀伊に住まう人々に根付いた思想・信条が幕府による中央集権を目指す彼らの思想と真っ向から対立したためだ。
为什么信长不仅仅是秀吉名义上的天下人也攻打了紀伊呢?这是因为紀伊居民根深蒂固的思想和信条与幕府追求中央集权的思想完全相反,所以两者发生了对抗。
紀伊では一揆や寺社勢力による民の団結を以て、武家に反駁(はんばく)するという考えが強い。この服(まつろ)わぬ(帰順しない)思想を放置すれば、再び周辺国へと伝播し天下を揺るがす規模の一揆となって牙を剥く。
在紀伊地區,有一種強烈的思想,即通過一揆或寺社勢力的團結來反駁武家。如果任由這種不服從的思想存在,將再次傳播到周邊國家,成為一次動搖天下並威脅社會秩序的大規模一揆。
目指す理想が相容れぬ水と油である以上、どちらかが滅ぶまで対立が止むことはないのだ。
既然我们追求的理想就像水和油一样无法相容,那么只有在其中一方覆灭之前,对立才会停止。
そして信孝に課せられた使命は、紀伊の民たちへ「我らはお前たちの存在を見逃す気はないぞ」、「従わぬのならば武を以て平らげる」という意思を伝えることにあった。
那时,信孝的使命是向紀伊民众传达这样的意思:“我们不会忽略你们的存在,如果你们不服从,我们将以武力平定。”
これは正規軍による敗残兵の掃討という楽な仕事ではない。どのような局面に於いても一切の敗北が許されないと言う重要な任務であった。
这并不是由正规军轻松清剿残敌的任务。无论何时何地都是一项非常重要的任务,不能容忍任何失败。
「丹羽様。神戸様の麾下として、雑賀衆討伐の補佐をお願いします」
"丹羽大人。作为神户大人麾下的一员,请协助讨伐雑贺衆。"
「心得た!」
"心得到了!" -> Simplified Chinese
この時点で名を呼ばれなかった譜代の臣は顔色を青くしていた。何故ならば既に方面軍として地方安堵の任を担っている数名を除けば、武家の最後の見せ場に参ずる資格が無いと断ぜられたに等しいからだ。
此时,未被 mencall的譜代臣子脸色变得苍白。原因是除了已经承担地方安定任务的几个人作为方面军之外,他们几乎没有资格参加武士的最后一次展示,这几乎等于被否定。
「次に北条征伐の総大将、柴田様」
"接下来是北条征伐的总大将,柴田大人"。
「応!」
"应!" in Simplified Chinese.
割れ鐘のような蛮声をあげて柴田が立ち上がった。近くにいる者は皆がその大声に眉を顰(ひそ)めるものの、不平を述べるものは一人としていなかった。
柴田一声大喊,声如割裂钟声,站了起来。周围的人都皱了皱眉,但没有人表达不满。
野生の猛獣もかくやという気炎を立ち上らせる柴田の気迫に気圧(けお)されたというのもあるが、少しでも目端の利く者ならば、実質的な東国の支配者である北条征伐の総大将に柴田が任じられた理由を知る。
柴田激起了如同面对野生猛兽一般的气势,使人感到压迫;但只要略具慧眼,就能了解柴田被任命为征服北条家实际的东国支配者的总指挥的原因。
東国征伐と嘯(うそぶ)くものの、武田がかつての勢いを失っている以上、その最大目標は北条征伐に据えられる。
东国征伐并吹嘘的人,由于武田失去了曾经的势头,因此其最大目标是对北条进行征伐。
すなわち、東国征伐自体を指揮する信忠を除けば、柴田が家臣の中で筆頭となった事を示す人事であった。
即在指挥东国征伐的信忠之外,这是一个表明柴田成为家臣中的头号人物的任命。
彼もそれを理解しているからこそ奮い立ち、堂々たる足取りで総大将の座へと進む。
他也因为理解了这一点而振奋起来,迈着坚定的步伐走向总大将的位置。
「佐々様並びに、前田様は引き続き柴田様の麾下として補佐を願います」
「佐々先生和前田先生将继续作为柴田先生的协助人员」
ここで一拍をおいてから、静子が言葉を発する。
在这里稍作停顿后,静子说话了。
「東国征伐を確たるものとするため、佐久間様並びに林様には東北の抑えをお願いします」
为确保东国征伐的稳定,请求佐久间和林先生抑制东北。
そう言いつつも静子は、林秀貞にいくさ働きは出来ないだろうと考える。既に四十を過ぎた信長よりも更に二十歳も年上であり、老境へと至った彼がいくさ場に立てるかは疑問だからだ。
尽管如此,静子认为林秀贞不可能参加战斗。他比已年过四十的信长还大二十多岁,已经到了老年的阶段,怀疑他是否能站在战场上。
反面、林は政治活動に於いて多くの功績を残している。故に東北に巣食う野心家どもを御せると信長が期待したのではないかと推測した。
反面,林在政治活动中留下了许多功绩。因此,我们可以推测信长希望林能够控制东北的野心家们。
更に実際に荒事が起きた際の保険として、武力を担うべく佐久間を補佐に据えたのだろう。
此外,为了作为发生暴力事件时的保险措施,他们任命佐久间协助担任武力行动。
(いずれにしても佐久間様は左遷人事になるのかな?)
无论如何佐久间先生会被左迁调动吗?
本来の任国であった大阪を追われ、「みちのく」へと通ずる東北へと向かわせられるのだ。
本来在任国大阪被迫离开,被迫前往通往“ 陸奥 ”的东北地区。
本願寺を抑えきれなかったことに対する懲罰的な意味合いが込められているのであろうが、本人にとっては到底納得のゆく沙汰では無かったのだろう。
对于无法控制本愿寺的惩罚性含义,可能会被纳入其中,但对于本人来说,这远非是令人满意的结果。
(たとえ東国征伐の間、見事東北を抑えきったとしても与えられるのは東国に隣接する地となるだろう)
即使成功平定东北地区,在东国征伐期间,也只会被授予与东国相邻的土地。
織田家内の力学に無頓着だった静子ですらここまで理解が及ぶのだ。佐久間は己の置かれた立場を十二分に理解していた。
即使像静子这样对织田家内部的权力机构毫不关心的人也能理解到如此程度。而佐久间则充分理解了自己所处的位置。
その証拠に佐久間の顔色は蝋のように白く、まるで瘧(おこり)にでも罹(かか)ったかのように小刻みに震えている。
其证据是佐久间的脸色苍白如蜡,就像患上疟疾一样颤抖不已。
静子としては知らぬ間柄では無いだけに哀れにも思うが、信長が考え抜いた末に決定したことだけに覆しようがない。
作为静子,并不是不了解这种情况,因此我觉得很可怜。但这是信长经过深思熟虑后做出的决定,我们无法改变。
流石の静子とて、無理筋をおしてまで彼を救うだけの理由が無かった。
即使是流石的静子,也没有足够的理由去冒险去拯救他。
「主要な陣容は以上となります。これ以降はそれぞれの総大将配下となる方々を呼んで参ります。なお従来通り後方支援及び兵站は我が軍(・・・)が担います。それぞれの軍勢ごとに窓口となる者を配しますゆえ、ご承知おきくださいますようお願いします。では、織田勘九郎様の配下として——」
"以上是主要阵容。接下来将召集各大将的属下。后勤和补给将由我军(…)负责。每支军队将配备窗口人员,敬请知悉。接下来,以织田干九郎的麾下身份——"
主要な人事の通達は終わったが、これで全てが終わった訳ではない。むしろ自分が誰を大将と仰ぐのかを戦々恐々としながら見守る者が大勢いる。
主要的人事通知已经结束,但并不是所有事情都结束了。相反,还有很多人战战兢兢地观察着自己将会支持谁成为领袖。
静子は大きく息を吸い込むと、再び記された名前を読み上げ始めた。
静子深吸一口气,然后重新开始朗读那个名字。
一刻(二時間)以上にも及ぶ軍議を終えた静子は、這(ほ)う這(ほ)うの体(てい)で安土の別邸へと帰宅した。
结束了长达两个小时的军议后,静子已经疲惫不堪地回到了安土别墅。
「疲れた……喉がガラガラだよ」
"累了......喉咙嘶哑了。"
掛布団が取り払われた掘り炬燵の天板に突っ伏した静子は、煮過ぎた餅がデロリと溶けるかのように脱力しきっていた。
静子倒在被取走了挂被子的掘炬炕桌板上,犹如过度煮软的麻糍般彻底放松了下来。
尾張の本宅とは異なり、別邸には温泉がないため風呂に入りたければ湯を沸かす必要があるのだが、帰宅時間が判然としなかったため前もって指示が出せずにいた。
与尾张的主要住宅不同,由于别墅中没有温泉,因此如果想要洗澡就必须要先烧开水。但由于回家的时间不确定,我事先无法放出指示。
静子の帰宅を迎えた家人たちが湯を沸かしてくれてはいるが、無駄に大きな別邸の風呂を湯で満たすには今暫し時間が必要だろう。
家里的人欢迎静子回家,但是要让这个过大的别墅的浴缸充满热水需要一些时间。
「軍議は終わったから、上様の許しを戴いてから京に赴き、義父(ちち)上と本願寺の始末について打ち合わせ。それが済めば尾張へと帰れるんだけど坂本と今浜に立ち寄らなければならないのが難儀だなあ」
“军议已结束,得到上様的允许后前往京都,与义父和本愿寺商议处理事务。如果这样做完了,就可以回尾张了,但是必须去坂本和今滨,这有些困难啊。”
静子軍は遊撃隊的な位置づけであることと兵站を担うため、他の武将よりも自由に動き回る事が出来る。
静子军被定位为游击队,并负责后勤,因此比其他武将能够更自由地活动。
それ故に、軍勢を伴って各地へ移動する際にも、現地の領主に最大限の便宜を図って貰える特権が与えられている。
因此,在带着军队周游各地时,他们被赋予了在当地领主处获得最大限度方便的特权。
この特権は後ろ暗いところの無い者にとってはむしろ恩恵となることが多い。何せ軍隊というのは存在するだけで金を食う。
这项特权对于没有背后黑暗的人来说通常是一种恩惠。毕竟,军队仅仅存在就需要花费金钱。
大所帯の静子軍が移動すれば相応の金が領地に落とされることとなる。更には治水や道普請(ぶしん)などの相談にも乗って貰えるとなれば諸手をあげて歓迎するというのも頷ける。
如果庞大的静子军队调动起来,相应的金钱将会落入领地。此外,如果他们能就治水和道路修整等问题提供咨询,那么人们肯定会欢迎他们的到来。
それ故に少しでも金が欲しい秀吉の治める今浜と、静子の知恵を借りたいという光秀が治める坂本へは立ち寄らないという選択肢を選べないのだ。
因此,不得不做出选择,不能同时去参观由秀吉治理的今滨和由光秀借助静子之智慧治理的坂本,因为秀吉需要一点金钱。
「うーん……ん?」
"嗯......嗯?"
いつまでも呆けてはいられないと起き上がって伸びをしていると、遠くからドスドスと荒々しい足音が聞こえてくる。
起床并伸展身体,因为听到了从远处传来的沉重且粗野的脚步声,不能一直愚昧下去。
その音は真っすぐこちらへ向かってきており、以前にもこんなことがあったなあと思っていると勢いよく襖が開いた。
那个声音直朝这里传来,我感觉以前好像也有过这样的经历,突然门被猛地打开了。
「静子! これは一体どういう事だ!?」
"静子!这到底是怎么回事!?"
襖を破壊せんばかりの勢いで開け放ったのは、静子が思い描いた通り長可(ながよし)であった。
推开门的力道几乎像要摧毁门一样,打开门的是静子所期待的长可。
彼は大股で静子に歩み寄ると、彼女の肩に両手を置いて激しく揺さぶった。
他大步走向静子,双手放在她的肩上,用力摇晃了几下。
「天下を左右する大一番だと言うのに、俺たちは後方支援に専念すると言うのはどういう事だ!」
“我们说这是左右天下的大战,可我们却只专注于后方支援,这是什么意思!” → “我们说这是左右天下的大战,但我们却只专注于后方支援,这是什么意思!”
「おちおちおち……落ち着いて! 目が回って喋れない……」
「慢慢冷静下来!眼睛发晕说不出话来……」
がっくんがっくんと静子の頭が大きく前後に弧を描いて揺れるため、静子は既に吐き気を堪(こら)えるので精一杯となり、必然的に彼女の言葉は弱弱しくなって長可に届かない。
静子的头不停地前后晃动,头顶上发出“咣咔咣咔”的声响。她已经忍耐不住了,感到非常恶心,说话的声音也变得无力,远远无法传到长可的耳边。
これは盛大に反吐をぶちまけるかも知れないなと、何処か他人事のように思い始めたその時、唐突に静子は激しい往復運動から解放された。
这时,静子突然从剧烈的往返运动中解脱出来,我开始感觉到可能会大声反感。
そのままずるずるとへたり込むように身を横たえる静子の体を支え起こす者がいた。静子を支えるのと逆側の手で槍の穂先付近を掴んだまま鋭い視線を投げかけているのは才蔵であった。
一个人支撑起躺在那里像泄气了一样的静子的身体。那个人用另一只手抓住枪尖附近,投射着锐利的目光,那人就是才藏。
「おい! 危ないだろうが!」
“喂!这么危险!”
「問答無用! 静子様に危害を加えるとは慮外(りょがい)者が! そこに直れ、そっ首落としてくれよう」
"问答无用!伤害静子大人是不受容许的行为!赶紧滚回去,否则就把你杀头示众!"
才蔵は壊れ物を扱うかのように、いまだに目を回している静子を己の背後に庇うと、板の間を突き破った石突を引き戻しつつ逆側の穂先を長可に突き付ける。
才藏似乎处理易碎物品一样,保护着目眩的静子站在他身后,他拉回碾米机上突出的石头,把长可的尖端对准反面。
流石の長可も無手のままで才蔵の槍を捌けるはずもなく、自分を救える人物である静子へと視線を向けた。
长可虽然很厉害,但他手无寸铁,不可能独自应对才藏的长枪,于是他把目光转向了能救自己的人——静子。
しかし、肝心の静子は床下にまで貫通した大穴を見つめて黄昏(たそがれ)ており、新築の別邸なのになあと場違いな事を考えていた。
然而,关键的静子却凝视着通往床下的大洞穴,黄昏降临了,她想到这是一栋新建的别墅,却有种不合时宜的感觉。
「ふう……助かったよ才蔵さん。私は大丈夫だし、勝蔵(かつぞう)君も悪気があった訳じゃないから、ここは私に免じて矛を収めて貰えないかな?」
“呼……才藏先生,谢谢你了。我没事,而且胜藏君也没有恶意,因此,您能不能在我的情况下收回长矛呢?”
「静子様がそう仰るのならば否やはござらん」
「如果静子阁下这样说,那就没有什么不同意的了」。
油断なく殺気を放ちつつ長可を睨み続ける才蔵に、静子がそう執成(とりな)すと才蔵はあっさりと刃を引いた。
才藏毫不掉以轻心地释放着杀气,紧盯着长可。静子这样说后,才藏轻易地收回了刀。
才蔵は懐から革製の穂鞘を取り出して槍に被せると、己のすぐ隣へと立てかけた。
才藏从怀里取出一把皮制的穗鞘,套在矛上,然后搁在自己旁边。
目前にまで迫っていた死の象徴から解放された長可は、大きく息を吐きだした。
目前将死的象征已经离长可远去,他长舒了一口气。
場が落ち着いたのを見計らって、含み笑いの慶次と、台所の不快蟲を見るかのような氷点下の視線を向けてくる足満、どういう態度を取れば良いのか決めかねている高虎、能面の小面(こおもて)のように張り付いた笑みを湛(たた)える真田昌幸が室内へと入る。
在场气氛安静下来之后,随着含笑的景次和看向厨房令人不愉快的昆虫般目光的足满,高虎不知道该表现出什么样的态度,而真田昌幸则像戴着能面小面具般紧绷着笑容步入房间。
「既に到着していたなら勝蔵君を止めて欲しかったな」
“如果你已经到达了,我希望你能阻止胜藏。”
「今後の方針を伝えるって聞いてたからな。全員で揃ってから来ようと集合してたんだが、勝蔵が先走ったみたいだな」
“我听说要传达未来的方针,所以我们都在等全员都到齐后再集合,但似乎是胜藏过于着急了。” 转化为简体中文为: “我听说要传达未来的方针,所以我们都在等全员都到齐后再集合,但似乎是胜藏过于着急了。”
「おい、見ていたなら止めろよ! 俺は危うく串刺しにされる処だったんだぞ!」
“喂,你要是看到了,就帮我拦住他!我差点被串刺了!”
「ふん。慶次が止めておらねば、才蔵ではなくわしがその首を刎(は)ねておったわ!」
“哼。如果不是慶次阻止了我,那个头不是才藏的,而是我砍了它!”
苦笑しながら事情を話す慶次に食って掛かった長可だが、これでも配慮されていたという事実に背筋が寒くなった。
听着景次苦笑着讲述事情的长可不禁发飙,但仍然感觉到他受到了关照,这一事实让他不寒而栗。
「はいはい、じゃれ合いはそこまで。全員集まってくれるかな? 勝蔵君への説明も含めて、皆には色々と伝えたいことがあるから」
“好好好,嬉闹到此为止。大家都聚集在一起了吗?因为有些事情我想告诉大家,也包括给胜藏君的解释。”
静子が軽く手を叩きながら全員に声を掛けると、静子の斜め後方にて左右に陣取った足満と才蔵以外は、各々が適当な場所に胡坐(あぐら)をかいた。
静子轻轻拍了拍手,向所有人喊话。除了站在静子斜后方左右两侧的足满和才蔵外,每个人都随意地盘腿坐在了各自合适的位置上。
全員が話を聞く態勢になったのを確認した静子は、懐から数枚の書類を取り出しながら口を開く。
确认所有人都已经处于聆听的状态,静子从怀里掏出几张文件开始发言。
「事前に説明できなかったから勝蔵君が早合点(はやがてん)しそうだとは思っていたんだけれど、直接私に直談判しに来るとは思わなかったなあ。勝蔵君、怒らないから正直に言ってね? 今回の後方支援について揶揄(からか)ってきた人と喧嘩した?」
“因为我之前没办法解释,所以我就想着Katsuzou君可能会误会,但我没想到他会直接过来找我谈判。Katsuzou君,别生气,请实话实说,你和那些嘲笑我们后方支援的人打了架吗?”
「む……ああ。二度とは無いであろう大一番で、留守番に甘んじるとは不甲斐(ふがい)ないと言われたんだ! 売られた喧嘩は買うしかあるまい!」
「嗯……啊。我被说我不能在这场终极比赛中留守守门,这是不光彩的!既然已经被逼上梁山,那就只能硬着头皮硬闯了!」
「うーん、やっぱり言葉が足りなかったみたいね。後方支援を我が軍が担うとは言ったけれど、全軍(・・)で当たるとは言ってないんだよ」
“嗯,看来我说的话还不够清楚。虽然说我们的军队会提供后方支援,但我可没说要全军(・・)出动。”
「え? あ! そう言う事か!」
"额?啊!原来是这样啊!"
静子の言葉に頓狂(とんきょう)な声を発した長可だが、すぐに得心がいったのか己の膝を叩いた。
静子的话让长可发出了疯狂的声音,但很快他就理解了,拍打自己的膝盖。
はじめから静子は全軍で以て後方支援に回るとは言っていない。今までにも自軍を幾つかに分割し、織田家内の各軍に派遣したり、兵站(へいたん)を維持するための別動隊としたりと有機的に運用している。
从一开始就没说过静子要全军后勤支援。之前也曾将自己的军队分成几支部队派到织田家的各支军队中,有机地运用它们来维护兵站。
つまりは静子が直接率いる部隊が後方支援を担うと言うだけで、長可のような戦闘にこそ適性を発揮する人材を燻(くすぶ)らせておく必要はない。
也就是说,只要静子直接率领的部队承担后方支援的工作,就没有必要闷在那里让像长可这样擅长战斗的人才闲置。
「直情的な勝蔵君辺りは早合点しそうだなとは思ったんだけれど、軍議の準備で忙殺されていて後回しにしちゃった」
「我觉得像直情的胜藏君这样的人可能会过早地得出结论,但是他因为军议的准备而非常忙碌,所以这件事被搁置了。」
「おい!」
"嘿!"
「過ぎたことはともかく、勝蔵君も気付いたように私が率いる本隊は後方支援に専念します。ただ、個人の武勇を示せる大きないくさは今後少なくなるでしょう。これに皆を巻き込む気はありません」
"过去的事情暂且不提,正如勝藏君所意识到的那样,我所率领的本队将专注于后勤支援。然而,个人表现勇敢的大规模战斗越来越少了。我没有打算卷入所有人的决定。"
軍議の場で冒頭に信長が述べたように、織田家はこれより日ノ本全土の敵対勢力に対していくさを仕掛ける。
正如信长在军事会议上所述,织田家将对日本全土的敌对势力发起战斗。
手始めに東の武田と北条、西では紀伊勢力と毛利にぶつかる二正面作戦となる。そうなれば長可のような勇猛な武将を遊ばせておくような余裕は無くなる。
首先,将面对东面的武田和北条,西面则是与紀伊势力和毛利的二正面作战。如果这样的话,就没有时间让像长可这样勇猛的武将闲着。
そして緒戦を制してしまえば、東西の巨大勢力を併呑(へいどん)した織田家に対し、真正面から歯向かえる勢力は海を隔てた九州勢ぐらいとなる。
如果能够赢得首场比赛,织田家将吞并东西两大势力,真正能够正面对抗的势力大概只有隔海相望的九州势力了。
戦火がそこまで及ぶ頃には、個人の武勇がいくさの行く末を左右するような戦闘は鳴りを潜め、統制された群による数の暴力が全てを支配するようになるだろう。
当战火蔓延到一定程度时,个人英勇豪情所左右的战斗已经逐渐平息,而由受控的群体实施的数量暴力将会主宰一切。
己の生涯を武に捧げた武士(もののふ)には、悔いの残らないよう存分に本懐を遂げて欲しいと静子は思っていた。
静子希望那些把生命奉献给武道的武士们可以尽情追寻自己的理想,不留任何遗憾。
「出来る限り皆の希望に沿うつもりだよ」
“尽可能地满足大家的希望”
「そうさな、俺は面白いいくさ場で戦いたい」
“我想要在有趣的战场上战斗。”
真っ先に慶次が名乗りを上げた。実に慶次らしいと静子は思う。
慶次第一个站了出来,静子觉得这非常符合慶次的风格。
勝ち負けが容易には見えない面白そうないくさ場であるなら何処でも良いのだ。
如果是一个看起来胜负很难分的有趣场面,那到哪里都好。
いくさ場に立つ以上、勝敗は兵家の常である。負ければ己の命を失うが、命を賭(と)して何かを成し遂げることこそが彼の願うところであろう。
站在战争场上,胜败乃是军人的常情。虽败亦无悔,只要能倾其所有,追求心中所期望的结果。
「それなら上杉家への援軍という体(てい)で、お家騒動を鎮めてきて貰おうかな。これは敵地で相手の懐に飛び込むだけに、何が起こるか判らないし、外部からの干渉があれば上杉家といえども万が一があり得(う)るからね」
“那我们以援助上杉家的形式,来平息家里的纷争吧。这是在敌人地盘直接进攻,不知道会发生什么事情,而且即使是上杉家,万一有外部干预也不能保证安全。”
「そいつは上々。お家騒動に余所(よそ)者が首を突っ込むんだ、厄介がられもするだろう。だからこそ面白い!」
“这很棒。外人插手家庭纷争会被视为麻烦,所以会受到排斥。正因为如此,才更有趣!”
「まあ、越後へ向かうには一つ条件があるんだけれどね」
“其实,要前往越后有一个条件。”
「条件?」
"条件?" -> "条件?"
「それについては尾張に戻ってから話すよ。流石の慶次さんでも想像出来ない愉快な話になると思う」
“关于那件事,我会在回到尾张后跟你谈。我想这会成为连京次先生也难以想象的有趣故事。”
珍しく挑発的な静子の物言いに、慶次はニヤリと笑みを浮かべて了承する。次に静子は長可へと視線を向けた。
罕见挑衅性质的静子说话,景次露出了咧嘴笑容,表示同意。接着,静子把目光投向了长可。
「勝蔵君はどうしたい?」
“勝藏君你想怎么做?”
「俺は武田だ! 前回の雪辱を晴らさねばならん。今度こそ武田をぶっ飛ばしてやるぜ!」
“我是武田!必须报上次的雪恨。这次我一定会把武田打飞!” (Simplified Chinese)
「そう言うと思っていた。上様も『武田を徹底的に潰せ』と仰せだし、突破力に定評のある君が適任かな?」
“我就知道您会这么说。上方也让我们“彻底摧毁武田”,而您作为一个拥有突破力的优秀人才是否很适合这项任务呢?”
静子が信長より任された任務は後方支援だが、それ以外にも幾つか課題を与えられていた。その内の一つが武田に対する殲滅戦である。
静子被信长分配的任务是后方支援,但除此之外她还有一些其他的任务。其中之一是对抗武田的消灭战。
衰えたといえども武田は未だに日ノ本の武を象徴している。つまり武田が存在している限り、その武の名の下に集う者が現れ続け、いつになっても織田家が武士の頭領を名乗ることが出来ない。
即使衰落,武田仍然象征着日本的武。换句话说,只要武田存在,就会有人聚集在他的武名下,无论什么时候織田家也不能自称武士的头领。
ゆえにこそ武田の武を真正面から打ち砕く必要があった。疑問を差し挟む余地のない、圧倒的な勝利が求められるのだ。
因此必须正面击败武田的武力。必须争取无可置疑、压倒性的胜利。
徹底的にやるのであれば悪目立ちする長可は適任と言えた。良くも悪くも人々の耳目を惹き付ける長可軍が活躍すれば、『無敵の武田軍』という幻想を打ち砕くことも可能であろう。
如果彻底地去做的话,那么显眼的长可就是合适的人选。无论好坏,引起人们注意的长可军如果能够活跃起来,也有可能打破“无敌的武田军”的幻想。
ただし、不安が無いわけではない。
然而,并不是没有不安。
「何の不安があるって言うんだ! 引き籠りの武田軍なんざ、俺が引きずり出してとどめを刺してやるよ」
"你说有什么不安!像躲在家里的武田军队,我会将他们拖出来并尽快解决!"
「君と君が率いる軍は、軍規違反が多いって言う苦情が私に来ているんだよね。上様が直々にお咎(とが)めなしとされているから皆が黙っているけれど、良くは思われていないからね?」
“你和你率领的军队,我收到了很多关于违反军纪的投诉。虽然上级已经亲自责难了你们,但是大家并不认为你们做得好。”
「しかし、目の前に勝機が転がっているのに足並みが揃うのを待っていたんじゃ出遅れちまう!」
"但是,即使机会像滚过来一样摆在眼前,如果等待步调整齐就会错失良机!" translates to Simplified Chinese as "然而,即使机遇就在眼前,如果等待脚步整齐,就会错失好机会!".
「君の気持ちは、判らなくもないけれどね」
「我也不是完全不明白你的心情」
静子も勝利を目前にしながら、身内で手柄を争って機を逸してしまうのは馬鹿らしいと思っている。しかし同時に武士というものが武を商品としている以上、誰が手柄を立てるのかというのが最重要課題となるのも理解していた。
静子也认为,虽然胜利近在眼前,但在家族内争功夫而错失良机是愚蠢的。但同时,作为武士,明白谁获得功绩是最重要的任务,因为武器作为商品存在。
とは言え、まずは勝利せねば話にならないのだから、長可がなりふり構わず勝利を掴むことを優先するというのも一理あるのだ。
然而,首先必须取得胜利问题,这是毫不犹豫地争取胜利的优先权也有其道理。
そして究極的には軍規違反を犯しても結果を出し続けている長可を信長が認めている。軍規違反をした分、手柄が相殺されているため諸将もそれ以上強くは言えない。
而信长认可了长可即使违反军规也能继续取得成果。由于有手柄可言,被违反军规抵消了,因此其他将领也不能再强烈抨击他了。
「私と一緒に行動している時には、問題になるほどの軍規違反をしないよね?」
“在我和你一起行动的时候,你不会触犯军规到有问题吧?” translated to Simplified Chinese is: “在我和你一起行动的时候,你不会违反军规到有问题吧?”
静子は長可が軍規違反を起こす現場を見たことが無かった。いつも他者からの報告という形で、苦情が届くのだ。
静子从未见过长可违反军规的情况。通常都是以他人的投诉形式来得知。
その都度、裏を取っているので多かれ少なかれ問題行動を起こしているのは確かだ。しかし、全ての苦情が真実という訳でもなかった。
每次都在背后查证,所以多少都会引发问题行为是确实的。但是,并不代表所有的投诉都是真实的。
命令伝達の齟齬(そご)(食い違い)による誤解や、長可を陥(おとしい)れんとした虚偽の報告もあった。
指令传达的差错(不一致)导致误解,还有试图陷害长可的虚假报告。
「そりゃ……な」
"那个......"
死にたくはないし、と長可は心の中でつけ足していた。
“长可在内心中补充说:“我不想死。””